・製品概要

DIBOC®(Di-tert-butyl-dicarbonate)

  • 「遺伝子の二重らせん構造」の発表以来、世界のペプチド化学が隆盛を迎えるとともにペプチド合成の必需品として、BOC基 (tert-Butoxycarbonyl基) が、アミノ酸の最も優れたアミノ基保護基として活用されるようになりました。
    特に、DIBOC®は、

    1. 安定性が良い
    2. 温和な条件下でBOC化反応が行える
    3. 反応副生成物が主として「イソブテン」であり、精製時における除去が容易である
    4. したがって、高純度で高収率の目的化合物を得ることができる

    など、非常に優れた性能を有していたために理想的なBOC化剤としてアミノ酸、ペプチド、タンパク質、 アミノ配糖体及び抗生物質等幅広く用いられ、世界の研究分野において深く浸透いたしました。

    さらに、1980年代初期になり、フェノール性水酸基のBOC基保護化合物が、LSI用化学増幅型レジスト材料として 極めて有用であることが、米国企業より発表され、有機エレクトロニクス材料への用途もまた、大きくクローズアップされてまいりました。 この期にあって我社は「DIBOC®」の工業化生産技術の開発にいち早く着手し、 1983年、NON-ホスゲン法導入による「地球環境保護対策技術」を根幹とする画期的な量産化技術の確立に成功いたしました。

    その結果、「DIBOC®」は研究段階から工業規模に至るまで、世界において幅広く使用されるようになり、 今現在の超高度情報化社会を築いているエレクトロニクス分野の驚異的な発展の一翼を担っていると言っても過言ではありません。 今後は更なる科学技術の飛躍的な発展に伴い、多分野にわたって、この高機能化合物の特質を充分に活用した、よりいっそうの展開が期待されております。        
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