・研究開発

含硫金属表面修飾剤概要


 近年、記憶材料や電池材料等への利用のため、高機能性有機低・高分子の機能特性を究極のサイズ領域で発現させるべく、固体表面をそれらの単分子膜で被覆しかつそのパターンを形成する手法や材料に関する研究が活発になっており、 今後さらに研究分野・利用分野が大きく広がると予想されます。

この状況を鑑み、いち早く弊社は、金属表面に容易に単分子膜形成能力 (自己組織膜形成能力)を有する新規含硫黄化合物の開発に成功いたしました。

この化合物は特定の波長により脱保護可能な基(Y:光保護基)を有しており、 光脱保護後に発現した機能基等に酵素等の生体高分子やアミノ酸などで結合修飾させれば、生体認識素子等への展開が期待でき、また光照射時にマスキング等をすることにより、任意のパターンを形成することができます。

光照射後に発現する機能基はアミノ基、カルボキシル基、アルコキシル基、 メルカプト基、スルホニル基など、有機化学において有用な官能基ばかりであり、 また金属表面修飾以外の利用も可能であるので、その利用可能な分野は無限大です。

1) Z はメチレン鎖などを代表とする結合基、X は目的とする官能基を誘導する基であり、カルバメート基、カルボン酸エステル基、カーボネート基、エーテル基、チオカーボネート基、チオエーテル基、スルホン酸エステル基などです。Y は光脱離性保護基です。