・製品特徴

光酸発生剤 EEPAG®
(Enol Ester Photo Acid Generator)
  1. 反応機構


    1. sp2混成軌道の利用


    2. 本EEPAG のスルホン酸基が結合する α 炭素は sp2 炭素原子であり、 置換・脱離反応が起こらず安定です。
       これにより、非共有電子対を持つ官能基を有する樹脂などの有機成分や 水などの求核物質と共存しても、保存時または使用時に求核置換反応が 起きて分解してしまうことがありません。

    3. ノリッシュⅠ型 [1,5] シグマトロピー転移


    4. EEPAG は分子内にカルボニル基が組み込まれているため、 UV 照射によりノリッシュ I 型反応が起こります。光開裂後に生じるシクロペンタジエンは熱により [1,5] シグマトロピー転移を起こし、スルホン酸基が sp3 炭素上にくる 構造が生成されます。
      この構造においては (1) に示した制限が消滅するので, 有効に酸が発生します。


  2. EEPAGのUV吸収スペクトル


  3. EEPAG のベンゼン溶液のスペクトルを以下に示します。
    モル吸光係数は 313 nm において 2300 であり、300 nm 以下の波長においても 適度な分子吸光係数を示します。


  4. 酸発生効率


  5. EEPAG の酸発生量を、キセノンランプ光から回折格子で選び出した中心波長 313 nm の光を用い室温にて測定を行いました。
    その結果、転化率 7.4% の段階で 0.013 でありました。


  6. まとめ


    • 化合物の構造がイオン性ではない中性の有機分子から構成されているので、 有機媒体との相溶性が高く、樹脂などの有機媒体に対して任意の割合で、 極めて均一に分散させることが出来ます。その結果、形成パターンのエッジ が粗くなることなく、高精度の微細加工が可能となります。


    • 立体構造(-SO2R の α 炭素 = sp2 炭素)により、非共有電子対を持つ 官能基を有する樹脂などの有機成分や水などの求核性物質と共存しても、 保存時又は使用時に求核置換反応をすることがないので、非常に保存安定性に 優れております。


    • カルボニル基側の置換基 R’を変更することによって照射波長に柔軟に 対応できます。例えば、ナフタレンのように共役系の置換基であればより 長波長の光を吸収できR’が t-ブチル基のような基であればより短波長の 光を吸収できるようになります。